2010年:ボードゲームを月毎に振り返る。(前編)
本来は去年のうちにしておくべきネタなのですが、折角なんでやらせてもらいます。
去年も数にすると沢山のボードゲームが販売され、日本での流通タイトル数も以前と比べかなり増えてきている感じでしたね。
今回は去年自分がプレイした中で印象の強い新作ゲームを月毎に、特に印象が深いものを中心に振り返って行きたいかと思います。
まずは1月からどうぞ。
1月:ジャイプル・レッドノベンバーを救え!・ウボンゴ3D・ハバナ・カーソンシティ
2010年の幕開け、1月は2009年のエッセンボードゲームショーで出展されたゲームが引き続き発売ラッシュの月でした。
この中でもジャイプルは2010アラカルトカードゲーム賞(カードゲームでその年のベスト10を決める賞)を
取ったのですが、実際非常に良く出来た2人専用カードゲームでかなりプレイする機会も多かったです。
商品を売るタイミングなどの駆け引きもあり、また程よく運の要素も入っているので、手軽に遊べて誰にでも薦めやすいのが良いですね。
ここ近年の2人用対戦ゲームの中でもかなり上位にあげることの出来る良いゲームではないでしょうか。
後にあげた4作品もそれぞれ良作で、特にウボンゴ3Dは立体系ゲームorパズルが好きな人にはたまらない作品かと。
2月:コズミックエンカウンター日本語版
丁度エッセンボードゲームショーとニュルンベルクおもちゃ市の間、正確にはニュルンベルク自体は2月開催なのですが
ゲームが日本に届くまでタイムラグがあることもあり2月は比較的新作の空白月だった印象があります。
その中でもコズミックエンカウンター日本語版は最近の日本語ローカライズラッシュの先駆けだったかと思います。
とにかくドミニオン以降日本語化されたゲームが増えてきているのですが、こういった文章が多いゲームでこういう風に
カードテキストを含めての丁寧な日本語化をしているゲームが最近増加しているのは非常に良いことですね。
3月:ディクシット2・アラカルト新版・インペリアル2030・ドリームファクトリー・マカオ・ドンキホーテ
先程書いた2010年のニュルンベルクで出たゲームが一斉に流通に乗ってきただけあってこの月は
良いゲームのオンパレードになっています。
まずはもうお馴染みとなった2010年年間ドイツゲーム大賞受賞作:ディクシットの
拡張カード(ディクシット2)がこのタイミングで出ていて、追加カードが入ったことで絶対に山切れ終了回避が
出来るようになったことと共にカードのお題の想像性もかなり広がりました。
他にも、ディクシットと大賞を争ったアラカルトの新版はクレープや能力のタイル、3つ星シェフの新要素が入ってゲーム性がアップ。
リメイク新作ではインペリアル2030やドリームファクトリーがゲーム会等でかなりの好評を得ていました。
4月:倉庫の街・あいだの数・レベルX・たんとくお〜れ増築開始どちらかというと一般的というか平均的な新作流通の月だったかと思います。
さて、個人的な好みも含めて4月は倉庫の街を取り上げますね。
倉庫の街の作者であるステファン=フェルドは自分の中で間違いなく5本の指に入る好きなゲームデザイナーです。
『代表作:ドラゴンイヤー・ノートルダム・薔薇の名前』
彼の作るゲームの特徴としては何らかの苦難やマイナス要素を常に抱えながらゲームを進行させていくものが多く
(自分の周りではマゾゲーと呼ばれてたりしますが)、3月に上げたマカオも彼の作品らしいゲームになってます。
このゲームでも、ゲームが進行していくと必ず倉庫火災が起こって(計4回!)消防士をきちんと用意していないとマイナス点を
貰うというギミックがあったり、ビッドメインのゲームなのに毎ターン貰えるお金は基本1金か2金だったりと
なかなかのギリギリ&カツカツ感ぷりを発揮してくれていました。
ですが、ゲームの内容は非常に面白くかなりプレイしましたね。(彼のゲームの中では比較的1プレイ時間が短いのも高評価な所でしょうか)
5月:フレスコ・ハンザテウトニカ・クーハンデルマスター・キクラデス・ゾンビ&クトゥルフダイス
5月はゴールデンウィークがあったことも有り個人的に遊んだゲーム数もかなり多かったですね。
この月は何と言ってもフレスコでしょう。
2010年年間ドイツゲーム大賞最終ノミネート及び2010年ドイツゲーム賞受賞と
去年出たゲームの中でもかなり広範囲に渡って高い評価を得たゲームの1つだったのではないでしょうか。
基本ルールだけでも十分遊べるのでファミリー向けにもなりますし、物足りない場合は拡張を3つとも入れることで
ゲーマーの人同士でも楽しめるといったバランスの良い作品に仕上がっていたと思います。
コンポーネントも絵の具のキューブを始め、全体的に綺麗でカラフルなのが好印象でしたね。
6月:アールエコ新版・グレンモア・けもぱに・RftGブリンクオブウォー(英語版)・チョコラトル
この月は個人的に色々と語りたいゲームが多く、少し枠を多めに取って書き込みたいかと思います。
全体的に見ても良作ラッシュの月でした。
まずは日本人デザイナー川崎晋さんが作ったアールエコ。昔出ていた同作品の新版で、
ゲーム性は変わりませんが発売元がamigoというかなりメジャーな会社(昔Z-manゲームズでも出ていましたが)になり
ドイツで正式に発売になった物です。
リサイクルをテーマにしたこのゲーム、2010アラカルトカードゲーム賞では惜しくも2位でしたが
日本発のゲームがここまで評価されたのは非常に誇らしいことだと思います。
グレンモアは去年プレイしたゲームの中で自分が1番に上げるほど高評価を付けたいゲームです。
作者の人はこのゲームがデビュー作というのが驚きなのですがシステムが良くまとまってあって、
またタイルの数などのバランスも非常に作りこみがしっかりしているなぁという印象が強い作品ですね。
また街を作って、かつ資材の生産や加工をしていってる感もあり「ボードゲームしてる!」って感じになれるのがいいです。
勝ち筋も複数あって、タイルの現れ方や展開によって臨機応変に動く必要があるのもなかなかやり応えがあって○。
けもぱには少人数で遊べる「人狼」系ゲーム。
カードのイラストがやや好みが分かれる点は置いておいて、システムとしては「人狼」系ゲームにあった欠点を
かなり軽減したうえに、かつ短時間で遊びやすいシステムに作っている点で評価が高かったですね。
RftG:ブリンクオブウォーは現行のレースフォーザギャラクシー(RftG)では最後の拡張になると言われています。
拡張ごとにバランスが取られていたり強力なカードが増えたりと、拡張を入れた方が取れる戦略が増すのでオススメです。
今月末辺りにはこの拡張も日本語版としても出るようですし、もう少し世間でも普及してもらいたい作品です。
取りあえずここまでつらつらと2010年上半期を振り返ってみました。
こうしてみるとやはり去年は全体的に豊作だったのも頷けますね。
次回は後編、7月から12月までをお送りします。