ゲームレビュー:フレスコ+追加拡張セット1

相変わらずの不定期更新ですがお付き合いの程をお願いします。



今回は普通にゲームのレビューなどを。今日取り上げるのは



2010年ドイツゲーム賞1位受賞ボードゲーム大賞最終ノミネート作品



『フレスコ』追加拡張セット1(拡張4〜6)をまとめて。



去年出たゲームの中ではかなり完成度が高いゲーム性であることもさることながら



フレスコ画を修復していくというテーマ性コンポーネントが非常に綺麗かつカラフルで



見て楽しめる点など非常にドイツのボードゲームらしい要素がつまった作品だと思います。



ジャンルとしては、職人を配置して順番に動かす、という点で「変則ワーカープレースメント」と言って良いかもしれません。



ずっと早起きしてると職人の機嫌が悪くなって1人サボってしまうというのがお茶目ですw



個人的にもう1つ感心しているのは基本ゲームがまずあって、それに拡張好きなだけ加えていくというスタイルは非常に評価したい点ですね。



基本ゲームはゲーマーの人には物足りないレベルかもしれませんがバランスがきちんと取れている上に



それだけでも十分楽しめる、かつ手順を覚えるのに苦にならない位のルール分量に抑えてあるのが好感が持てます。



実際やってみると分かりますが基本ルールでも絵の具を混ぜる要素は勿論、プレイ順などでの



駆け引き(市場の押さえ方や修復順など)など十分楽しめるので初回プレイは基本ゲームから始めても悪くないと思います。



で、それだけではやや物足りなくなった人、もしくはゲーマーの方は拡張を順次入れていくのが良いでしょう。



ここからは拡張ごとにコメントを。



拡張1:肖像画
肖像画のバイトの選択性が広がります。この拡張を入れることで朝早く起きることの価値が上がり、


またカードの能力も派手な物も含まれていてゲーム展開のいいスパイスになっています。


また、この拡張の一番のポイントは、この拡張を使うことで「ゲームに時間制限が出来る」


ことだと思います。基本ゲームでは絵の具をある程度まで貯める展開も見ますが


この拡張が入ることで最大9ラウンドで終了するというジレンマが加わりいい意味での制約になってます。



拡張2:司教の依頼
一番玄人好みの拡張かもしれません。裏面の色orお金アイコンを支払うことで勝利点が入り、


毎ターン絵の具が貰える様になる代わりに貰える定期収入が3→1コインに減るのがポイントですね。


絵の具が毎ターン貰えるようになるのは強いですがその分収入は減るのでタイミングなども上手く


考えていかないといけなかったり他のプレイヤーとの絡み(早い方が点数が高い)もあり地味に良い拡張という評価。



拡張3:追加絵の具
最初のセットに入っている拡張の中で一番分かりやすくてオススメなのがこの拡張3です。



簡単に書くと絵の具が6色から2色(ピンク茶色)増えて8色になっています。



その為、絵の具の調合の種類が増えたり、フレスコのタイルもこの2色が混じった物が加わっています。



点数が全体的に上がるのと戦術性が増すカラフルさもプラスされるので是非とも最初に入れてもらいたい拡張ですね。




後半戦は「拡張1」セットに入っている拡張3種(4〜6)について扱っていきます。



拡張4:願いの井戸
コンセプトとしては「小さな幸運」、本当に少しだけ嬉しい恩恵が井戸から貰えます。


個人的な印象としてはゲームのミニアシスト機能ではあるのでルールが覚えられるなら


ファミリーや初心者での初プレイでも入れていいとは思います。恐らく少し展開が楽になります。


慣れてきて最初に拡張を入れる時追加絵の具とこの拡張の2つを入れる位が一番良さそうな気が。
(勿論ですが一気にいれても悪くないですよ)


拡張5:金箔
やはり早起きした人へのご褒美的拡張の1つかと思います。


何故か絵の具を買うと市場のおっちゃん(?)が金箔をオマケに付けてくれますw


使える色は毎ターンランダムですが司教ボーナスの強化+αだったり、使いそびれても1枚1コイン(勝利点0.5点)だったりと


4人プレイでは1箇所2枚貰える所があるので、ゲームを通してみると結構地味に効いて来る要素という印象が強かったです。



拡張6:ガラス工
「拡張1」セットの目玉といって過言では無いと思います。


この拡張を入れることでゲーム難度の上昇、及びゲーム戦略の幅が更に広がりますね。


ガラス工のアクションタイル置き場が面白く、5つのアクション置き場のうち1つを潰して上書きするという使い方。


これによってガラスに関しては早起きした人が必ずしも一番に買える訳ではないという点でより戦術性を増しています。


また、ガラスを買うのにも作るステンドグラスを決めるのにもお金が必要になるので資金繰りなどにも目を向ける必要が。


6つの中で一番「ゲーマー向け」っぽい拡張という印象が強いですね。





最後にですが、先日拡張1・2・3・5・6の5つを入れて3人プレイをしたのですがその感想をば。


余り詳細に書くと面白みが薄れるので簡単に書くと特に序盤の「資金繰り」が今まで以上にシビアになっています。


加えて肖像画カードを入れているので、9ターン制限もあり本当に時間との戦い!といった感想。


肖像画カード自体の効果がそれなりに強いのでなんとかなりましたが、8ターン目に最終ラウンドのトリガーが引かれ


結局最終ラウンド=9ラウンド目での決着となりました。取りあえずラウンド準備の処理が増えたりするので掛かる時間も


増えますが、特にガラス工はやはりかなり良いアクセントでして、新拡張も一度は加えてプレイしてもらいたいという評価でしたね。




まだ基本セット未プレイの方も、拡張1〜3まではやりこんだよという人も是非一度お試しあれ。